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祖父母が孫の教育費を負担したら贈与税がかかるのか?

子育て世代にとって教育費の負担は頭の痛い問題です。一般の方より比較的収入が高い医師のみなさまであってもそこは同じではないでしょうか?そんなとき、親(子どもから見たら祖父母)が教育資金を援助してくれたら大助かりですね。今回はそんな援助を受けやすくするために(?)、祖父母が孫の教育費を負担したら贈与税がかかるのか?についてお話ししたいと思います。

そもそものお話しですが、たとえ家族間であっても誰かから財産(お金など)をもらったら原則として贈与税が課税されます。そこは前提として押さえておいてください。

しかし、親が子どもの生活費や教育費の面倒を見るのは当たり前ですよね。ですからこのような場合には、親に生活費をもらったからといって子どもに税金がかかることはありません。相続税法でも「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」は贈与税の非課税財産であると定めています。

では今回のテーマのように、親に収入があるにもかかわらず祖父母に孫の教育費を負担してもらった場合はどうなるのでしょう?親に収入がないのならともかく、親にその務めを果たす能力があるのなら親が扶養義務者だと考えるのが自然ですよね。ということは、祖父母は孫の扶養義務者ではないので贈与税がかかってしまう、と思いませんか?

ところがそうではないのです。さきほどご説明した相続税法の規定でいうところの「扶養義務者」とは直系血族や兄弟姉妹等のことをさします。祖父母と孫との親族関係は直系血族の関係にあたりますので、祖父母が孫の教育費を負担しても贈与税はかからないのです。

なお、この規定では祖父母と孫が生計を一にしているかどうかとか、親に孫の教育費等を負担する経済力があるのかなどは一切問題にされていません。ですから祖父母と別居していても、親に収入があってもなんの問題もありません。

少し理屈っぽくなりましたが、祖父母が孫の教育費を負担しても贈与税はかからない、ということがご理解いただけたかと思います。ぜひ教育費の援助を引き出す口実の一つとしてお使いいただければと思います。

なお、注意して頂きたい点がひとつあります。非課税の適用を受けるためには、この教育費の負担は「必要な都度、直接これらの用に充てるため」の贈与でなければなりません。

どういうことかと言いますと、毎年祖父母が代わりに学費を払ってくれる、というのはOKですが、医学部入学が決まったからと言って6年分の学費をまとめて孫に贈与してもらう、などというのはNGです。

医学部の学費6年分をまとめて贈与となるとなかなかハードルが高いですが、孫はまだ小さいけれど今のうちにまとまった教育資金を贈与してあげたい、という一括贈与のニーズは高いそうです。そこで、もしまとまった教育資金を贈与してもらえるということであれば『直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度』という制度が平成25年度改正で創設されましたので、そちらの利用もご検討ください。

この制度では、資金用途は教育資金に限定されますが最大1,500万円まで非課税で一括贈与することができます。こちらの制度については銀行などが熱心にPRしていますのでそちらをご覧いただくと概要はお分かりになると思います。もしご要望があれば、このコラムでも取り上げたいと思いますのでご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

酒井税理士事務所代表 酒井 勇(税理士登録 第102393号)

住所: 大阪市西区南堀江1-2-6 サムティ南堀江ビル8階
HP: http://www.sakai-tax.jp/

経歴

昭和44年11月29日生。大阪府堺市出身。神戸市外国語大学中国学科を卒業後、特殊鋼の専門商社に入社する。そこで香港現地法人立ち上げに関わった経験から中小企業の財務会計に興味を持ち税理士資格取得を志す。その後会計事務所勤務を経て平成20年4月に酒井税理士事務所を開業する。“税に関する情報をわかりやすい言葉でお伝えします!"をモットーに、情報を必要とする方に有益な情報を届けることに注力し、現在では多数メディアにも掲載され活躍されておられます。

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